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リースバック 完全ガイド

リースバック活用ガイド
——任意売却との違い・メリットデメリット・業者選び

自宅を売却して資金化しつつ、賃貸として住み続けられるリースバック。仕組み・任意売却との違い・メリットデメリット・業者選びの基準を、宅地建物取引業者が実務目線で解説します。

最終更新:2026年5月14日|監修:澁谷 律(宅地建物取引士)

この記事の結論

  • リースバックは「自宅を売却 → そのまま賃貸契約で住み続ける」仕組み。引越し不要で資金化できる
  • 売却価格は市場価格の60〜80%、家賃は売却価格の年6〜10%が目安。実質的な利回り計算で評価する
  • 任意売却との違いは「住み続けられるか」。住宅ローン残債がある場合は任意売却×リースバックの組み合わせも可能
  • 「買戻し特約」の有無で将来の選択肢が変わる。買戻し価格は当初売却価格の110〜130%が一般的
  • 悪質業者対策として、家賃の妥当性・契約期間・敷金礼金の有無を事前に書面で確認

目次

  1. 1. リースバックとは
  2. 2. リバースモーゲージとの違い
  3. 3. 任意売却との違い・組み合わせ
  4. 4. メリット
  5. 5. デメリット・リスク
  6. 6. シーン別の判断軸
  7. 7. 業者選びと契約書チェック
  8. 8. 価格・家賃の妥当性
  9. 9. よくある質問

1. リースバックとは

リースバック(Sale and Leaseback)は、自宅を売却すると同時に売主と買主の間で賃貸借契約を結び、売主が引き続き同じ家に住み続けられる仕組みです。

基本フロー

  1. 業者へ問い合わせ・査定依頼
  2. 売却価格・家賃の提示
  3. 売買契約+賃貸借契約を同時締結
  4. 売却代金の受け取り(一括)
  5. 翌月から家賃支払い開始

所有権は業者に移転しますが、住む場所は変わりません。住宅ローン残債がある場合は、売却代金で完済します。

2. リバースモーゲージとの違い

項目リースバックリバースモーゲージ
所有権業者に移転保有
受取方法売却代金一括融資(一括 or 分割)
年齢制限緩い・なし55〜80歳が一般的
月々の支出家賃利息のみ(元本は死亡時)
対象物件戸建・マンション両方戸建中心(一部マンション)

3. 任意売却との違い・組み合わせ

住宅ローン滞納で任意売却を検討している方にとって、リースバックは「住み続ける選択肢」を提供します。

任意売却×リースバックの活用

  • 住宅ローン滞納物件をリースバック業者が買取(金融機関の同意取得)
  • 売却代金で住宅ローン残債を返済
  • 子どもの転校回避・地域コミュニティ維持が可能
  • 残債が残る場合は別途返済計画を協議

詳細は 任意売却完全ガイドも参照してください。

4. メリット

  • 引越し不要で生活拠点を維持:子どもの学校・地域コミュニティを守れる
  • 住宅ローンから解放:返済プレッシャーから家賃支出への切替
  • 固定資産税・修繕費の負担解消:所有者の負担は業者へ移転
  • まとまった資金化が即可能:医療費・事業資金・老後資金の捻出
  • 周囲に売却が知られにくい:内覧不要、近所はそのまま住み続ける

5. デメリット・リスク

  • 売却価格が市場価格より低い:市場の60〜80%が目安
  • 家賃が継続的に発生:老後の固定支出が増える
  • 退去リスク:家賃滞納で住む権利を失う
  • 契約期間後の更新拒否リスク:定期借家契約だと更新できない可能性
  • 買戻し価格が高くなる:当初売却価格の110〜130%
  • 所有権を失う:自由なリフォーム・売却ができない

6. シーン別の判断軸

老後資金確保

年金収入だけでは生活が厳しいシニア層に有効。ただし家賃が年金額の3割以内に収まるか厳密に試算が必要。

住宅ローン返済困難

任意売却の代わりにリースバックを選ぶことで、住む場所を維持できる。子どもの転校・地域コミュニティ保護にも。

事業資金の急ぎ調達

自宅を資金化しつつ事業継続。ただし家賃支払能力は事業の安定性次第。

離婚に伴う資金分配

夫婦のうち一方が住み続けるケースで、共有名義解消+資金確保ができる。ただし住む側の家賃支払い能力が必要。

7. 業者選びと契約書チェック

業者選定基準

  • 宅地建物取引業免許番号の確認
  • 大手・上場企業or実績豊富な専門業者
  • 家賃の透明な算出根拠を提示できる
  • 定期借家か普通借家か明示
  • 買戻し特約の有無・条件の明示

契約書チェック項目

  • 家賃金額・更新時の家賃改定ルール
  • 賃貸借期間(定期借家の場合は再契約条件)
  • 敷金・礼金の有無
  • 修繕負担の範囲(経年劣化・設備故障)
  • 原状回復義務の範囲
  • 買戻し特約(価格・期限・行使条件)

8. 価格・家賃の妥当性

価格の目安

  • 売却価格:市場価格の60〜80%
  • 家賃:売却価格の年6〜10%(月換算:売却額/月×0.5〜0.83%)

例(売却価格2,000万円)

  • 家賃年6% → 月10万円
  • 家賃年8% → 月13.3万円
  • 家賃年10% → 月16.7万円

家賃が極端に高い・売却価格が極端に低い場合は、業者の利回り目線で売主が不利な条件になっている可能性。複数業者で相見積もりして比較してください。

よくある質問

Q. リースバックとリバースモーゲージはどう違いますか?

リースバックは「売却して賃貸契約で住み続ける」仕組み、リバースモーゲージは「自宅を担保にお金を借りる」仕組みです。リースバックは所有権が業者に移転しますが、リバースモーゲージは所有権を保持したまま借入します。リースバックの方が借入条件が緩く、年齢制限も少ない傾向があります。

Q. 家賃はいくらが妥当ですか?

売却価格の年6〜10%が一般的(売却1,000万円なら月5〜8万円)。物件の立地・状態・契約条件で変動します。極端に高い家賃を提示する業者は、再販時の利回り目線で売却価格を高く見せている可能性があるため、家賃と売却価格のバランスを必ず確認してください。

Q. 買戻しはできますか?

買戻し特約を契約に入れることで可能です。買戻し価格は当初売却価格の110〜130%が一般的(業者の保有コスト+利益を上乗せ)。買戻し期限は通常1〜10年で設定。将来の買戻しを想定する場合は、必ず契約書に特約を明記してください。

Q. リースバックの審査はありますか?

業者により異なりますが、通常の住宅ローン審査より緩いケースが多いです。年齢制限なし・収入要件なしの業者もあります。ただし、家賃の支払い能力は審査されます。年金収入のみのシニアでも対応可能な業者があります。

Q. リースバック後の家賃が払えなくなったらどうなりますか?

通常の賃貸契約と同じく、家賃滞納が続けば退去となります。リースバック後は所有権を失っているため、住み続ける権利を失います。家賃の支払い計画は売却前に厳密に確認すべきです。年金生活者の場合、年金額の3割以内に家賃を抑えるのが安全な目安です。

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この記事の監修者

澁谷 律(しぶたに りつ)

宅地建物取引士。ラスエステート株式会社 代表取締役(東京都知事(1)第111381号)。 フリークス株式会社 代表取締役。 不動産投資家・宅建業者・買取再販事業者として、売主・買主・業者の三つの立場から不動産取引に関わる。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の取引判断・法律判断を保証するものではありません。 具体的なご相談は、宅地建物取引士・弁護士・司法書士等の専門家にご相談ください。 記事内容は最終更新時点のものであり、法令・市況の変動により実際と異なる場合があります。